ルカの福音書1章26−38節
あなたが息をのむような美しい景色の広がる島に住んでいると想像してください(注1)。ビーチは何百マイルも延びていて、島には大勢の人が住んでいます。
長年にわたり、島民はしばしば地平線の向こうに何があるのだろうと考えてきました。しかし、誰も島を出たことがなく、誰も本当のことを知りません。
島民は、野生動物、植物、気象、岩の形成を研究するのに時間を費やしてきました。彼らはまた、家庭生活の営みに多大な注意を払ってきました。島の健全な結婚生活や島の子どもを育てる方法に関するセミナーが開催されてきました。
島民は皆、何年も前に起こった大きな災害で流されてきた漂流者の子孫です。しかし、あまりにも昔の出来事だったので、ほとんどの島民はそのことについてほとんど、あるいは何も知りません。
島の中心には火山があります。島民の中には、いつか噴火するのではないかと恐れている人もいますが、ほとんどの人は決して噴火しないだろうという結論に達しています。
ボトルに入ったメッセージ
ある朝、あなたがビーチを散歩していると、砂の中にきらきら光るものが見えます。よく見ると、緑色のボトルが海岸に打ち上げられているではありませんか。中には、「助けがやってくる」というメッセージが書かれている紙が入っています。
なんと奇妙なことでしょう。このようなものは今まで見たことがありません。「助け」?このような美しい島で、どのような助けが必要なのでしょうか?
数週間後、別のメッセージが入ったボトルが再び打ち上げられます:「助けはすぐにやってくる!」同じメッセージが入った二本のボトル。どこから来たのでしょうか?
あなたは、ボトルを見つけたことで、不思議と不安な気持ちになります。なぜなら、あなたはのどかな島に住んでいて、とても充実した満足のいく生活を楽しんでいるからです。しかし、ボトルに入っていたメッセージは、何らかの問題があることを指摘しています。
もしかしたら、地平線を越えた向こうに誰かがいるのかもしれません。そして、その誰かがあなたに危険が差し迫っていることと、それについて何らかの解決策があることを告げているのかもしれません。
しかし、メッセージは島の反対側に住む子どもたちが書いたという可能性もあります。もし、彼らがボトルを海に投げ出したなら、潮の流れによってそれが再び島に打ち上げられても不思議ではありません。
どういう事情であったとしても、ボトルとそのメッセージが頭から離れません:「助けがやってくる。」
島民の問題
島民の物語は、聖書の全体像を把握する助けとなります。神があなたを創造してくださったのは、あなたが神を知り、神を楽しみ、神の臨在の中で生きるためでした。しかし、大きな災害がありました。罪によって人と神との関係が断ち切られてしまい、今、私たちは、その美しさにも関わらず、呪いに覆われた、堕落した世界に生きています。私たちは皆、島に住みながらそれぞれ多くの問題を抱えていますが、最大の問題は、島自体がいつか破壊されるということです。
神は最初から助けが来ると約束されていました。神は何百年もの間、旧約聖書の預言者たちを通して同じメッセージを繰り返し語られました:「絶望してはならない。私は助けを送る。あなたが未だ十分に理解できていない危険からあなたを救うために、誰かが必ず来る。」
あなたは一度も見たことのない土地で暮らすために生まれましたが、誰かがあなたを救いに来てくれて初めてそこにたどり着くことができるのです。そのためにイエス・キリストがこの世に来てくださいました。イエスこそが、聖書物語の最初から神が約束してくださっていた助け主なのです。
イニシアチブを取られる神
イエスの誕生は完全に神が率先して行われたことでした。マリアは若い女性で、ジョセフという男性と結婚する準備をしていました。彼女は処女であり、神は彼女をイエス・キリストを世に送り出す者として選ばれました。そこで、神は御使いガブリエルを送って彼女に告げました:「恐れることはありません、マリア。あなたは神から恵みを受けたのです。見なさい。あなたは身ごもって、男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい」(ルカ 1:30−31)。
「どうしてそのようなことが起こるのでしょう…」とマリアは尋ねました(1:34)。
御使いの答えは、聖書の最大の謎の中核へと私たちを導きます:「聖霊があなたの上に臨み、いと高き方の力があなたをおおいます。それゆえ、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれます」(1:35)。
マリアの子は、神の直接の働きかけの結果として生まれました。ヨセフは何も貢献していません。彼は部外者であり、この奇跡的な出来事全体を受動的に観察していただけでした。神がもし起こっていることについてヨセフに説明しなかったなら、彼は何が起こっているか分からなかったでしょう。神は彼を完全に迂回しました:ヨセフは何も貢献していません。
聖書には、他にも奇跡的な誕生に関する物語があります。アブラハムとサラは子どもを切望していましたが、イサクの誕生は奇跡でした。なぜなら、彼らは二人とも子どもをつくる年齢をはるかに過ぎていたからです。バプテスマのヨハネが生まれた時のゼカリヤとエリザベスも同じでした。
この子どもたちは、父と母の結びつきに、神が特別に介入してくださった結果として生まれました。しかし、マリアは処女でした。子どもが母の胎に宿る以前、ヨセフはマリアと交わっていません。そして、子どもが生まれる後まで、彼は彼女と関係をもつことはありませんでした(マタイ 1:25)。
マリアの胎内の命は、神の創造的な奇跡を通してそこに宿りました。そのことは、御使いの言葉で美しく表現されています:「聖霊があなたの上に臨み、いと高き方の力があなたをおおいます」(ルカ 1:35)。
新約聖書は、イエスがどのような方であるかについて、三つの基本的な真理を教えています:イエスは神であり、人であり、そして、聖なる方です。
神の驚くべき旅
御使いはマリアに、その子は「いと高き方の子」(ルカ 1:32)であると告げました。その子は「神の子」(1:35)であり、「神が私たちとともにおられる」(マタイ 1:23)お方であると告げました。
御子は生まれる前に、すでに最も素晴らしい人生を楽しんでいました。あなたの人生は、あなたが母親の胎内に宿った時に始まりました。その瞬間までは、あなたは存在していませんでした。神はあなたの父と母の交わりを用いて、あなたを誕生させてくださいました。
しかし、イエスの場合は違います。イエスの命は処女の胎内で始まったのではありません。馬小屋で生まれる以前、神と永遠の命を共有していました:「初めにことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった」(ヨハネ 1:1)。御父と命を共有されていたお方が、私たちのところに来られました。このお方は人類から生まれたのではなく、人類のもとにやって来てくださったのです。
イエスが神であるという素晴らしい真理は良い知らせです。なぜなら、神だけが私たちをご自身と和解させることができるからです。
他のすべての奥義を説明する奥義
イエスが神であることを理解したなら、次に神が人間になってくださったことを理解することも、同じくらい重要です。このようなことは、御子の誕生以前にも、以後にも起こったことはありません。
旧約聖書では、神が目に見える形で現れたことが何度もありました。神の顕現と呼ばれ、それらは仮装や変装をする役者に例えることができます。舞台が終わると、役者は衣装を脱いで劇場を去ります。しかし、イエスの誕生はまったく異なっていました。神の御子は人間の肉となられたのです。神であることをやめたのではなく、真に人となられたのです。
神がいったいどのようにして人間となられたのかを推し量ることはできませんが、神がそうされたことを知ったとき、すべてのつじつまが合います。神がイエスというお方によって人間になられたと理解したとき、イエスの主張、奇跡、そして復活のすべてが当てはまっていくのです。
イエスは「私たちとともにおられる神」なので、イエスが神への道であり、他に道はないと言われるとき、誰も驚く必要はありません。そして、神がイエスという方のうちに私たちのところに来てくださったと理解するなら、敵がイエスを十字架に釘付けにできたことに驚くでしょう。しかし、イエスが死からよみがえられたことに、驚くことはありません。他にどんな結果を期待することができるでしょうか?
全く新しい人類
イエス・キリストは、彼が「聖なる者」(ルカ 1:35)という一点を除くすべての点で私たちと同じです。これは、イエスがただの一度も罪を犯さなかったことを意味しますが、実はそれ以上のことを意味しています。イエスは、思考においても、意図においても、品性においても聖なる者でした。性質そのものが聖かったのです。イエスは罪に引き寄せられず、イエスの中には罪に染まる傾向もありませんでした。人類の歴史の中で、このようなことが言える人は他にいません。
使徒パウロは、聖なる人生を送りたいと切に願っていた善良な人でした。彼は特権的な家庭に生まれ、最高の学校で教育を受けました。両親は、彼が望むすべてのものを与えましたが、一つだけ与えることのできないことがありました:聖さです。彼が両親から受け継いだ性質は聖とはほど遠いものでした。
親は多くの良いものを子どもに受け継ぎましすが、聖さはその中に含まれていません。私たちの中に聖さはないのです。生まれたものは聖なる者ではなく、イエス・キリストがこの世に来られるまで、聖なる者は生まれませんでした。
イエスは聖なる、罪のない、それゆえもはや死のない新しい人類への道を切り開いてくださいました。神の目的は初めから、多くの人がイエスを通して、死に打ち勝ち、神の聖なる臨在のもとで永遠の命を生きることであり、それは変わることがありません。そして、イエスはそのような人々の先頭に立っていてくださるのです。
開かれました
旧約聖書全体を通して、神は助けが来ることを約束されていました。イエス・キリストにおいて、その助けが来ました。神の御子は驚くべき旅をして来てくださいました。人間の肉となられ、処女から誕生されました。御子は下りてこられ、私たちの間に住まわれ、私たちの罪を負うために十字架にかかってくださいました。御子は神として私たちをご自身と和解させてくださったのです。人間として、御子は神の怒りから私たちを救い出してくださいました。そして、聖なる者として、聖なる人生を送れるように私たちを力づけ、やがての日に、聖なる臨在の喜びへと私たちを迎えてくださるのです。
注: 1. Eugene Petersenの作品「Working the Angles」(Grand Rapids:Eerdmans、1987)、139 ffからのアイデア。ピーターセンは、ウォーカー・パーシーのエッセイ/ たとえ話、The Message in a Bottle(New York:Farrar、Straus&Giroux、1975)からそれを改作した。
ルカの福音書1章26−38節
預言されたイエスの誕生
1章26さて、その六か月目に、御使いガブリエルが神から遣わされて、ガリラヤのナザレという町の一人の処女のところに来た。27この処女は、ダビデの家系のヨセフという人のいいなずけで、名をマリアといった。28御使いは入って来ると、マリアに言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたとともにおられます。」29しかし、マリアはこのことばにひどく戸惑って、これはいったい何のあいさつかと考え込んだ。30すると、御使いは彼女に言った。「恐れることはありません、マリア。あなたは神から恵みを受けたのです。31見なさい。あなたは身ごもって、男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。32その子は大いなる者となり、いと高き方の子と呼ばれます。また神である主は、彼にその父ダビデの王位をお与えになります。33彼はとこしえにヤコブの家を治め、その支配に終わりはありません。」
34マリアは御使いに言った。「どうしてそのようなことが起こるのでしょう。私は男の人を知りませんのに。」
35御使いは彼女に答えた。「聖霊があなたの上に臨み、いと高き方の力があなたをおおいます。それゆえ、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれます。36見なさい。あなたの親類のエリサベツ、あの人もあの年になって男の子を宿しています。不妊と言われていた人なのに、今はもう六か月です。37神にとって不可能なことは何もありません。」38マリアは言った。「ご覧ください。私は主のはしためです。どうぞ、あなたのおことばどおり、この身になりますように。」すると、御使いは彼女から去って行った。
これらの質問を使って、神の御言葉にさらに触れてみてください。他の人と話し合ったり、自分自身を探るための質問として使ってみてください。

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